第1号

 ウィステリアを動かすには、FileMakerProというデータベースソフトが必要です。FileMakerProは、Macで おな じみApple社の完全子会社ファイルメーカー社の製品であ り、 設立当初はクラリスという社名で、当初はMac専用のソフトでしたが、後にWindows版もリリースされました。近年ではiOSに対応したFileMakerGoのリリースにより、パソコンと同じテンプレートがiPadやiPhoneでも手軽に使えるようになって、近年格段に知名度があがってきました。他にもマイクロソフト 社のAccessも、同じデータベースソフトとして知名度が高い商品ですが、データベースの入門用として、非常にわかりやすいFileMakerProはお勧めのデータベースソフトです。

 さて、先ほど「テンプレート」という言葉を使いましたが、 ウィス テリ アは、このファイルメーカーで動くテンプレートになります。

 パソコンのソフトウェアは、例えばハガキ作成ソフトなどでは、 「年賀はがきを作る」など「何の仕事をさせるか」という目的がはっきりしたものが多いのですが、データベースソフトの場合は、この目的の仕事を ユーザーが自分で決めて使い分けます。ウィステリアは、予防型の歯科をサポートするために、藤木省三先生を中心に日本ヘルスケア歯科学会の有志によりつくられた患者管理用のテンプレートという事になります。

 身近なところでは、表計算ソフトのExcelも似たような面があります。名簿、見積書、請求書、集計表にグラフ、目的の仕事のためにそのテンプレートを自分で つ くったり、他の人が作ったものをもらって自分のデータを入力してつかったり、ソフトとテンプレートはそういった関係です。

 当然の事ではありますが、Excelで作ったテンプレートを使うにはExcelが必要です。同様にウィステリアを使うにはFileMakerProが必要ですね。ネットワークで使うとすればそのパソコン台数分必要になります。台数が増えるとその分コストも かか りま すが、ウィステリア以外のテンプレートを使える利点もありますので、先々の活用の幅も広がると思います。

 たとえば、ウィステリアはカスタマイズフリーです。カスタマイズ フ リーとは、自分でソフトに変更を加えたり、機能を追加したりしてもかまわないという事です。同じ歯科医院といえど、それぞれやる事、やりたい事が微妙に違うはず、「ウィステリアにこんな機能があればいいのに」という時には、自分なりの改良を加えることが可能です。 自分で変更や追加を加える事はそうそうできないと思われるかもしれませんが、最初に申し上げた通り「データベースの入門用」に最適なのがFileMakerProです。少し思い切って挑戦が可能なソフトだと 言えます。ウィステリアユーザーのドクターにも独学でカスタマイズに挑戦される方も少なくありません。もちろん専門家へカスタマイズの依頼もで きるので、活用の幅は無限大に広がります。

 ウィステリアクラブというウィステリアサポート専用のホーム ペー ジが 開設されます。ここではウィステリアに関するあらゆる情報が発信されます。ウィステリアの使い方・疑問点の解決、ファイルメーカーの勉 強、新たなテンプレートの提案など、初心者からヘビーユーザーまで、これからのウィステリア活用に必ず役にたつ事と確信していま す。